
167議席が、たった49議席になった。
この数字の重みを野田佳彦氏はどこまで受け止めているのだろうか?
2月8日に投開票された衆院選で中道改革連合は歴史的大敗を喫した。
立憲民主党出身の議員に限れば、144人からわずか21人へ。
もはや壊滅的という表現すら生ぬるい。
そんな中で共同代表を引責辞任した野田氏が16日に公開したブログを読んでびっくりした。
「自民党にガチンコ勝負で負けたという実感はありません」
高市早苗総理への期待感による「推し活」的なイメージ論に選挙戦全体が支配された。
えも言われぬ「時代の空気」に訴えが飲み込まれた。
ブログにはそうつづられていた。
はっきり言わせてもらうと
これは敗因分析ではないただの現実逃避だ。
泉健太の「何言ってんの」が正しい理由
19日のABEMA番組で、泉健太氏がこのブログに対して放った言葉は実に痛快だった。
「完全に負け惜しみでしょ。何言ってんの」
「ガチンコで負けた気がしていないとしたら、感覚が鈍っているということだ」
ずばり、そのとおりである。
泉氏はさらに核心を突いた。
野田氏の側近に対して、ずっと伝え続けていたことがあるという。
「頼むからビラまきだけで民意を測らないでくれ」と。
野田氏はいつも街頭でビラを配り、その反応で民意を読んでいた。
しかし、ネットでどんな声が上がっているのか、どんな批判が渦巻いているのか。
そこに向き合おうとしなかった。
いまの時代、街頭のビラ配りだけで有権者の声は拾えない。
SNSやネットのコメント欄には、リアルな不満や疑問があふれている。
それを読まずに「負けた気がしない」と言えてしまうこと自体が、敗因そのものではないか。
岡田克也元外相にいたっては、ネット上の声を「デマや批判が渦巻いていた」と切り捨てた。
これに対しても泉氏はきっぱり言い切った。
「デマがまかり通っているとか、そういう風にデマ扱いしてしまうからだめなのだ」
まさに、そう。
都合の悪い声を「デマ」で片づける姿勢こそ、有権者の心が離れた最大の原因だとわたしは思う。
野田ブログが映し出す旧世代の限界
野田氏のブログを改めて読み返すと、ある特徴に気づく。
敗因を外部に求める文章が並ぶ一方で、自分たちの戦略ミスや政策の訴求力不足への言及がほとんどないのだ。
抜き打ち解散で不意を突かれた。
戦後最短の選挙期間だった。
投票日は全国的に大雪だった。
「時代の空気」に飲み込まれた。
天候や日程のせい。
相手の人気のせい。
空気のせい。
どこにも「自分たちの何が足りなかったのか」がない。
選挙で7割の議席を失ったのに、方向性は間違っていなかったと胸を張る。
「穏健な政治勢力として中道のかたまりを作る」という路線に自信を示す。
しかし、有権者はその路線にNOを突きつけたのである。
泉氏が選挙直後に叫んだ「ふざけるな、自分たちの党を大事にしろよ」という怒り。
「事実上、焼け野原の状態だ」という冷静な現状認識。
この落差こそが、いまの中道改革連合の内部温度を如実に表している。
泉氏は立憲民主党の代表を務めた経験がある。
あのとき、中道路線を志向しネットでの発信にも積極的に取り組んでいた。
代表選で野田氏に敗れてからも黙って党を支えてきた人物だ。
だからこそ、その泉氏の「何言ってんの」には重みがある。
内部から出た正直すぎる苦言。
これは中道改革連合にとって最後の良心と呼ぶべきものではないか?
「背水の陣どころか水中の陣です」と野田氏は書いた。
詩的な表現だけど、問題はそこじゃない。
なぜ水に落ちたのか。
その原因と真正面から向き合わない限り
浮かび上がることなど到底できないだろう
さようなら




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