
朝9時から夜6時過ぎまで9時間以上も国会の椅子に座り続ける。
そんな過酷な日程が日本の総理大臣には当たり前のように課せられている。
3月12日、衆院予算委員会での集中審議を終えた高市早苗首相が体調不良で公務を途中で切り上げた。
審議が終わっても自席から立ち上がれず目頭を押さえる総理。
その姿を片山さつき財務相ら閣僚が心配そうに囲む映像は
多くの国民の胸に刺さったのではないだろうか。
首相周辺によれば「風邪の疑い」とのこと。
2、3日前からせきがあり前日の福島出張もあって疲労が蓄積していたという。
予定されていたイスラム諸国の駐日大使らとの食事会「イフタール」は欠席となり木原稔官房長官が公務を代行した。
このニュースを見てまず純粋に高市総理の身体が心配になった。
同時に、ふと思った。
「なぜ、こんなに過酷な働き方が放置されているのだろうか?」と。
深夜国会という名の異常事態
日本維新の会の藤田文武代表がSNSで発信した内容が、的を射ていた。
中東情勢の緊迫、本予算審議の佳境、早朝からのレクチャー、日々の重い意思決定。
「明日も深夜国会になるかもしれない」という言葉には、現場のリアルがにじみ出ている。
深夜国会。
この言葉を聞いて、おかしいと思わない人がどれだけいるだろうか。
国の舵取りをする人間が、睡眠も満足に取れない状態で重要な判断を迫られる。
これは総理個人の問題ではない。
日本という国の意思決定の質に直結する、構造的な問題だ。
藤田代表は「リーダーが最高のパフォーマンスを発揮するには、頭をクリアに保つ時間としっかり休める環境が大事」と述べていた。
まったくその通りだと思う。
民間企業なら、トップの健康管理は経営課題として真剣に取り組まれる。
なのに国のリーダーには、なぜそうした配慮がなされないのか。
精神論で乗り切る時代は、とっくに終わっているはずだ。
藤田代表が提案した「専属の食サポート」も興味深い。
総理ともなれば、気軽にスーパーにも行けない。
出前を頼むのも難しい。
公邸暮らしでお弁当ばかりだと、栄養が偏る一方だという。
各国大使館には専属のシェフがいる。
日本の総理にそうしたサポート体制がないのは、考えてみれば不思議な話だ。
セキュリティを確保しつつ、栄養バランスを考えた食事を提供する仕組み。
これを「贅沢」と批判する人もいるかもしれない。
でもわたしは、国の意思決定の質を守るための必要経費だと考える。
国会そのものをアップデートすべき時
今回の件で改めて感じたのは、国会の仕組み自体が時代遅れになっているということ。
朝から晩まで、ときには深夜まで続く審議。
総理や閣僚は、その間ずっと拘束される。
質問の内容によっては、事前に膨大な資料を読み込む必要もある。
睡眠時間を削り、食事もまともに取れない日々が続く。
こうした働き方は、もはや持続可能ではない。
そして何より、国民のためにならない。
疲弊したリーダーが、最善の判断を下せるわけがないからだ。
オンラインでの審議参加、審議時間の適正化、総理の拘束時間の見直し。
できることは山ほどあるはずだ。
「国会の慣例」という言葉で、いつまでも非効率を放置していいのだろうか。
わたしたち国民も、考え方を変える必要があるのかもしれない。
「総理は激務に耐えてこそ」という美学は、もう捨てるべきだ。
健康で、頭がクリアな状態のリーダーにこそ、国を任せたい。
それが国民のためになる、本当の政治だと思うから。
高市総理の一日も早い回復を心から願っている。
そして同時に、この出来事が国会のアップデートを考えるきっかけになることを期待したい。
リーダーが倒れてからでは遅い。




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